GitLabとAmazon QのAI協働機能(Duo)がリリースされました!
以前から顧客のプロジェクトで利用させてもらっていて、隠れGitLabファンなハマコーですが、そんなGitLabにAmazon QとのDuo機能なるものがre:Invent 2024にて発表されました。
GitLabは、OSSのホスティング先としては正直あまり存在感がない印象ですが(SaaSでパブリックに使う方法ももちろんある)、主に企業内での利用を想定した開発者向けプラットフォームとして、プロジェクト管理やISSUEやEpicの管理、CI/CDやセキュリティ方面まで含めた多機能さは、GitHubより上回っていると感じる部分も大いにあります。
一言でいうと、DevSecOpsプラットフォームでしょうか。そんなGitLabが今回Amazon Qとコラボレーションしたという話題は興味津々。
利用の前提条件が厳しいため(後述)今回は、公式情報をまとめてみたという内容になりますが、このあたりの条件も将来的には緩和されるかもなので、GitLabに興味がある方は、一度目を通しておいてもらえると幸いです。
GitLab Duo with Amazon Qに関する公式情報
what's new
公式ブログ
GitLab Duo integration page
GitLabからの公式アナウンス
GitLab Duo with Amazon Qの概要
GitLabは、開発者向けプラットフォームとしてGitHubの次にプレゼンスがありますが、そのGitLabとAmazon Q Developerがコラボレーション(Duoという単語が使われている)したという発表になります。
- 新機能のアイデアからマージ可能なコードまでの迅速な開発
- チーム全体で一貫した品質保証を実現するユニットテストの自動生成
- AIによるコード品質とセキュリティレビュー、修正の提案
- Java 8/11から17へのアップグレード支援による、アプリケーションのセキュリティと性能の向上
ということで、GitHubとGitHub Copilotシリーズとの関係に近いものと思ってもらえれば、良さそうです。
GitLab 公式ブログ
引用元:GitLab Duo with Amazon Q: DevSecOps meets agentic AI
上記公式記事では、Qコマンドを利用した具体的なユースケースが紹介されています。また、各ユースケースには、ショート動画も組み込まれているので、それをみると直感的にGitLab Duoでできることが把握できるかと思うので、是非、公式ブログも参考にしてみてください。
1. Streamline feature development from idea to code
Issueを入力したあと、Activity欄にq dev
と入力するだけで、コードが作成されMRまで自動で起票されます。動画だけ見てたら、ほんまかいなと思いますし、実際のコードの品質とかは実際に試していないのでなんともわかりませんが、ある程度コードベースが大きいプロジェクトであれば、一定の精度でMRが作られるのかもですね。
2. Modernize legacy code without the headache
Java 8
、またはJava 11
のコードをJava 17
に移行します。
IssueのDescriptionにq transform
と入力するだけで、Javaコードのアップグレード計画の作成、追跡できる変更計画書をMRとしてまとめてくれます。以下の画像は、公式の動画から引用したものですが、利用しているライブラリのアップデート情報なんかもまとめられています。
もちろん、コミット履歴からFile Changesまで確認可能。
3. Accelerate code reviews without sacrificing quality
MRのActivityにq review
と入力すると、MRの品質とセキュリティに関するレポートを作成してくれます。
コードレビュー結果は、そのままレビューのサジェストとして出力され、それを取り込む場合は、q fix
と入力するだけで、MRにその変更が取り込まれます。
4. Automate testing to ship with confidence
レビュー画面からFunctionを選択しq test
と入力することで、テストケースが作成され、MRに含まれます。このあたりのUIの直感性の高さと使い心地の良さは素晴らしそう。
利用するための前提条件
GitLab Duoが利用できるプラットフォームですが、2024年12月3日現在、SaaS版は利用できません。 利用には、以下の条件が必要となります。
- GitLabをセルフホスト
- Ultimateのサブスクリプション
- パブリックプレビュー
自分が慣れ親しんでいるGitLabはSaaS版だったので、セルフホストでしか使えないのは悲しいところですね。まぁこのあたりの条件も将来的に緩和されたりするかもですが。
関連情報
GitLab公式では、さらに関連する情報の記事が複数紹介されていました。ローンチ時点でこれだけのコンテンツを用意しているのは、GitLabとAWSの意気込みが感じられます。
GitLabとAWSとのパートナーシップから見える未来
AWSとGitLabは、もともと緊密なパートナーシップを持っていましたが、今回のAI周辺のAmazon Qの統合は、よりその流れを後押しするものとなりそうです。
まだ現段階では利用条件が厳しいので、その恩恵に預かれるのは、エンタープライズユースケースに限られそうですが、今後より利用条件の緩和や機能の進化に伴い、GitLabがこれからも進化していくのは、個人的に非常に楽しみです。
それでは、今日はこのへんで。濱田孝治(ハマコー)(@hamako9999)でした。